北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は、19日に続いて20日も談話を発表し、「太平洋をわれわれの射撃場として活用する頻度は、アメリカ軍の行動次第だ」とけん制しました。
金与正氏は談話で、「最近、韓半島地域でのアメリカ軍の戦略的攻撃手段の動きが活発になっている」と指摘し、「わが国の安全に直接・間接的な憂慮があると判断される時には、相応の対応に乗り出す」と威嚇しました。
これは、19日に行われた韓米の合同訓練への反発を示したものとみられています。韓米は19日、北韓が18日にICBMを発射したことを受けて、韓半島の上空で連合空中訓練を行い、アメリカ軍はB1B戦略爆撃機を 展開しています。
金与正氏は前日の19日にも談話を発表し、「われわれに対する敵対的な行動に、相応かつ非常に強力で圧倒的な対応を実施する」として、韓米の合同軍事演習などに対して今後もミサイル発射などで対抗していく考えを示すとともに、アメリカに対して「わが国の安全を脅かす一切の行動中止しなければならない」と要求しました。
これに対し、統一部は19日、情勢悪化の原因は北韓自身の核・ミサイル開発にあるにもかかわらず、韓国とアメリカに責任を転化していると北韓を批判し、「慨嘆を禁じ得ない」とコメントしました。
そのうえで、「深刻な食糧難で住民が苦しんでいるにもかかわらず、住民の生活や人権に背を向けて挑発と威嚇を続ければ、国際社会から一層孤立するだろう」と強調し、挑発と威嚇を止め、平和に向けた道を歩み始めるよう求めました。