韓国東部・江原道(カンウォンド)の国立公園、雪岳山(ソラクサン)にロープウェイを建設する計画について、これまで40年間、協議が続けられてきましたが、環境部が条件付きで建設に同意しました。
この計画は、雪岳山の登山口がある襄陽(ヤンヤン)郡の五色 (オセク) 地区と雪岳山の海抜1480メートルのクッチョン峰を結ぶ、全長3.5キロの区間にロープウェイを設置するものです。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、就任前、大統領職引継ぎ委員会の地域均衡発展特別委員会で掲げていた江原道の15の公約の一つでした。
環境部の原州(ウォンジュ)地方環境庁は27日、これまでの協議内容を検討した結果、条件付きで同意することに決めたと明らかにしました。
ただ、山頂の乗り場を海抜1480メートルから1430メートルの場所に変更することと、中青(チュンチョン)待避所まで電気を引く案などが追加で示されました。
このあと、500億ウォン以上が投じられる事業として、行政安全部の地方財政投資事業審査などを経る必要があります。
一方、設置される場所が、国土の1.65%に過ぎない国立公園の公園自然保存地区であり、ユネスコ生物圏保存地域や、白頭(ペクトゥ)大山(テサン)保護地域の中心区域などに指定されていることから、環境団体は建設に激しく反発しています。
「国立公園を守る市民の会」は、韓国環境研究院など5つの環境専門機関がいずれも環境アセスメントの意見書に「自然環境に及ぼす影響が大きいロープウェイの設置は不適切だ」と明記したことに触れ、「環境部長官は尹大統領の公約と指示だけに従っている」と批判しました。
このロープウェイ事業は、1982年に建設の許可申請が出されましたが、修正案も含め2度にわたり否決されました。
その後、2010年に自然公園法の施行規則が改正され、建設に向けた調整が進み、2015年には国立公園委員会が条件付きで承認したものの、環境団体などから強い反発を受け、2019年に原州地方環境庁が立地が不適正であることなどを理由に「不同意」の判断を出しました。
これを受けて、襄陽郡は、中央行政審判委員会に「不同意の取り消し審判」を提起し、2020年12月可決され、今回、環境部による建設計画への条件付き同意となりました。