韓国政府が徴用問題の解決策を発表したことを、主な海外メディアも一斉に伝えました。
ロイター通信は、「徴用と旧日本軍慰安婦をめぐる意見の衝突は、アメリカの2つの中核的な同盟国間の関係を数年間悩ませてきたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は両国関係の回復を目指してきた」と、今回の発表の背景を紹介する一方で、「韓国政府の発表は、日本側の歓迎を受けたが、韓国では政府が日本に屈服したと非難する一部の被害者と野党の反発に直面した」と報じました。
ロイターはまた、別の記事で、「アメリカは、中国と北韓による脅威の増大や、ほかの多様な域内問題によりうまく対応するため、両国に対して、紛争を解決するよう圧力をかけてきた」と説明しました。
AP通信も、「北韓が去年70発あまりのミサイルを試験発射し、韓国と日本の両方で韓日関係の緊張に対する不安が大きくなった」とし、外部からの脅威が韓日の関係修復に向けた動きに影響を与えたとの見方を示しました。
AP通信はそのうえで、「日本企業から賠償と謝罪を受けたいと望む強制徴用被害者と野党は、今回の発表を‘外交的降伏’と批判している。こうした反発は、尹大統領にとって政治的打撃になる可能性がある」と指摘しました。
また、AFP通信は、ソウル大学国際学研究所のベンジャミン・エンゲル研究教授の話として、「日本がどう応えるかによって、今回の発表が持つ意味が変わる」と報じました。
エンゲル教授はAFPとのインタビューで、「日本が謝罪をし、日本企業も寄付金を出す誠意をみせてこそ、政府が発表した解決策を韓国国民が受け入れることができるだろう」と述べています。
ブルームバーグ通信は、2015年の慰安婦問題に関する韓日合意を韓国政府が破棄したことに言及し、「日本の過去の行為に対する韓国国民の怒りをなだめるための韓日間の合意は、しばしば定着に失敗した」と指摘しました。