温室効果ガスの削減について、政府は、2030年までに2018年と比べて40%削減するとした従来の目標を維持する一方で、産業部門では削減目標を14.5%から11.4%に引き下げる方針を明らかにしました。環境団体からは批判の声が上がっています。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の温室効果ガス削減対策の中核を担う「カーボンニュートラル・グリーン成長委員会」は21日、2030年までの削減目標を達成するための計画の詳細を発表しました。
炭素の排出量は、石油化学や電子など、韓国の主力産業が占める割合が高く、目標達成にむけて、産業界にどの程度負担させるかが争点となっていました。
一方、産業界では目標の達成が難しいという声が強く、政府は、産業部門の負担を3.1ポイント引き下げることにしたということです。
これにより、産業部門での削減目標は、従来の3810万トンから、3000万トンに減りました。このうち、1000万トンを現政権の任期中の2027年までに、残り2000万トンは2028年から発足する次期政権の任期中に削減するということです。
産業界の負担を軽減することで残る810万トンの温室効果ガスについて、政府は、再生可能エネルギーや原子力発電所の拡大のほか、海外で温室効果ガスの削減事業を行い、削減実績を国内に移転する「国際削減事業」で補う計画です。
政府の計画について、環境保護団体グリーンピースは、「いわば産業界の苦情解決報告書だ」と指摘し、環境運動連合は、「事実上、気候変動への対応を諦めると宣言したものだ」と批判しました。