尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は30日、アメリカの通商代表部のタイ代表と会談し、アメリカのインフレ抑制法や、半導体の国産化を促進する、通称「チップス法」について、韓国企業が不利益を被らないよう配慮を要請しました。
インフレ抑制法では、EV=電気自動車の購入者に対して大幅な税額控除を行う内容が盛り込まれており、控除を受ける条件として、車両の組み立てや蓄電池の生産が北米3か国で行われることに加え、蓄電池の原料となる重要鉱物はアメリカ国内、あるいはアメリカがFTA自由貿易協定を結ぶ国から調達することが掲げられています。
チップス法は、アメリカで半導体の国産化を推進するため、半導体産業に多額の補助金を投じる法律です。
尹大統領は会談で「インフレ抑制法やチップス法に関連して、アメリカで展開する韓国企業が困難にならないよう、友好的な方向で配慮してほしい」と述べました。
そのうえで「特に、チップス法で半導体の補助金を申請する企業に対し過度な情報提供が求められることについて、韓国企業が懸念している」として、アメリカ政府の友好的な対応を要請しました。
これに対して、タイ代表は「韓国政府と企業の懸念を真摯に受け止めている。これらの政策を通じて韓国とアメリカなどの同盟国が回復力のあるサプライチェーンを構築していくことを期待する」と話しました。