東京電力福島第一原子力発電所の汚染処理水の海洋放出をめぐり、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は、「必要であれば韓国政府も独自に検査を行うことができるよう、日本側と協議している」と明らかにしました。
韓総理は3日に行われた国会質疑で、先月、韓日首脳会談のため訪日した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、汚染処理水の海洋放出をめぐり、「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と発言したという日本のメディアの報道について聞かれ、「汚染処理水をめぐる問題において、政府は国民の安全を最優先に考えている」と述べました。
そのうえで、「必要であれば韓国政府も独自に検査を行うことができるよう、日本側と協議している」と明らかにしました。
共同通信は先月29日付けで、尹大統領が先月17日に菅前総理大臣と会談した際、処理汚染水の海洋放出の問題について「時間がかかっても韓国国民の理解を求めていく」と表明していたことがわかったと報じていました。
これについて、大統領室は、「政府は国民の健康と安全を脅かす可能性のある決定は決してしない」として、報道の内容を否定していました。
野党議員が、報道が事実でないのなら政府が抗議するべきだと指摘したのに対し、韓総理は、「メディアの報道にいちいち対応するよりも、政策の実施を優先する」と答える一方、「メディアの報道については、外交チャンネルを通じて政府の立場を適切に伝えている」として、日本メディアに遺憾の意を伝えたことを示唆しました。