先月の消費者物価は前の年に比べて4.2%上昇し、2か月連続で4%台の上昇率にとどまりました。原油価格の下落によって石油などの値段が大幅に下がったことで、物価が全体的に下落したものと分析されています。
統計庁が4日、まとめたところによりますと、3月の消費者物価は前の年の同じ月に比べて4.2%上昇しました。これは2月の上昇率の4.8%より0.6ポイント低く、去年3月以降、最も小さい上げ幅です。
上昇率が縮小した背景には、3月の石油類の価格が下落したことがあります。石油類の価格は、前の年より14.2%下落し、2020年11月以降最も大きな下げ幅を記録しました。
一方、光熱費は28.4%上昇し、前の月に続き過去最高を更新しました。農畜水産物は全体では3%の上昇でしたが、野菜類の価格は、原価の高騰などの影響で13.8%上昇しました。
変動性の大きい石油類と農産物を除いた、物価のコア指数は4.8%の上昇となり、物価高の傾向に変化は見られませんでした。
統計庁は、去年上半期の物価高の影響で、ことし3月の物価上昇は前年比ではやや鈍化したようにみえるものの、光熱費の引き上げをはじめ、原材料価格やサービス部門の上昇傾向は依然強く、今後の見通しに不安は残るとしています。
一方、アジア開発銀行は4日、韓国の物価上昇率について、ことしは3.2%で高い水準で推移するものの、政策金利の引き上げの効果などにより、来年は2.0%と徐々に安定すると予測しています。