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国際

韓国独自開発の原発輸出 米政府が「待った」

Write: 2023-04-05 14:09:16Update: 2023-04-05 19:54:33

韓国独自開発の原発輸出 米政府が「待った」

Photo : YONHAP News

アメリカの原子力発電大手のウェスチングハウスから、知的財産権を侵害したとして訴えられている韓国水力原子力が、原子力発電設備のチェコへの輸出についてアメリカ政府に届け出たものの、差し戻されていたことが分かりました。 
 
知的財産権侵害の訴訟に関連して、韓国水力原子力とウェスチングハウスが現地時間の4日、ワシントン連邦地方裁判所に提出した書類によりますと、韓国水力原子力は去年の12月に、チェコの原発事業の入札に単独で参加する計画について、アメリカのエネルギー省に届け出たということです。
 
エネルギー省はことし1月、「届け出はアメリカの技術を国外に持ち出したアメリカ企業が行わなければならない」として、韓国水力原子力の届け出を差し戻したということです。
 
これは、アメリカ政府が、韓国水力原子力にウェスチングハウスとの協力を強要したものとみられています。
 
ウェスチングハウスは去年、韓国水力原子力がチェコやサウジアラビアなどへの輸出を計画している韓国型原発の「APR1400」は、ウェスチングハウスの技術で作られたものであり、韓国水力原子力が知的財産権を侵害したと主張し、韓国水力原子力を相手取り裁判を起こしました。
 
ウェスチングハウスは、「APR1400」に使われている技術は、アメリカの法律により無断で海外へ移転することが禁じられていて、アメリカ政府の許可なしに韓国企業が第3国に輸出することはできないとしています。
 
これに対し、韓国水力原子力は、「APR1400」は韓国独自の技術で開発したもので、アメリカの輸出規制の対象ではないと主張しています。
 
韓国水力原子力は、こうした立場に変わりはないとしながらも、韓米の政府間の友好関係や核の不拡散という両国共通の利害関係を踏まえ、チェコの原発事業への入札に関して、エネルギー省に申し出たと説明したということです。
 
届け出の差し戻しを受けて、韓国水力原子力は、アメリカ側の立場を受け入れる方が得策だと判断し、2月にウェスティングハウスに書簡を送り、「互いの立場について議論する準備ができている」という旨を伝えたということです。
 
尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が原発の輸出に力を入れているなか、今回、アメリカが韓国の輸出に「待った」をかけた形となり、チェコやポーランドへの原発輸出に影響が出ることは避けられないと、懸念する声が出ています。

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