アメリカやヨーロッパの金融不安などの影響で、安全資産とされる日本円の価値が上昇し、円に対するウォン相場は、今週、1年1か月ぶりに100円当たり1000ウォンを上回りました。
6日のソウル外国為替市場での円に対するウォン相場は、前の日より6ウォン31銭上がって1001ウォン34銭で取り引きを終えました。
対円ウォン相場が1000ウォンを上回ったのは、去年3月24日以来、1年1か月ぶりです。
7日も午前中から午後にかけて100円あたり1000ウォン前後で推移しています。午後3時半の時点では、100円あたり998ウォン45銭でした。
円の価値が上昇している背景として、アメリカのシリコンバレー銀行の破綻やスイスのクレディ・スイスの経営危機などの影響で、金融市場での先行きの不透明感が高まったことが挙げられます。
これに加え、最近アメリカの経済指標が鈍化したことで景気低迷に対する懸念が高まり、FRBが金融引き締め政策を早期に終了するという期待も円の上昇につながっています。
FRBが政策金利の引き上げを中断すると、アメリカと日本の金利差が縮小し、円高につながる可能性があります。