未成年者を狙った麻薬犯罪が増えていることを受け、大検察庁は10日、麻薬犯罪の捜査の司令塔となる「麻薬犯罪特別捜査本部」の設置を決定したと発表しました。
特別捜査本部には、検察や警察、関税庁から、違法薬物専門の捜査員840人が配属されます。
主な捜査対象は、▲未成年者への違法薬物の供給、▲ネットでの違法薬物の流通、▲違法薬物の密輸、▲医療用麻薬の製造・流通の4つです。
特別捜査本部は、麻薬犯罪について、情報収集の段階から、捜査、逮捕状請求、裁判までの一連の流れを統括する体制を構築する方針です。
密輸に関する情報や、ネット取引のモニタリング結果などの関連資料を共有することで、捜査の効率性を高める狙いがあります。
また、違法薬物の密輸や流通の罪で逮捕した人の起訴に際して、「犯罪団体組織罪」を適用し、重い刑を求刑できるようにします。特に未成年に対する違法薬物の供給や薬物使用した人について、原則として身柄を拘束し、薬物の密売で得た収益は特別法に基づき、すべて没収するということです。
大検察庁によりますと、ことし1月から2月に、麻薬犯罪で逮捕された人は2600人と、去年の同じ時期より32.4%増えています。
SNSなどネットで違法薬物が簡単に手に入ることから、10代や20代の若者による麻薬犯罪も増加していて、去年、摘発された犯罪のうち10代と20代が占める割合は34.2%と、2017年の15.8%の2倍以上となっています。特に10代は、2017年の119人から去年は481人に急増しました。