ウクライナに対する軍事支援の可能性に言及した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の発言をめぐり、ロシアは19日、韓国がウクライナへの武器支援に踏み切った場合、報復として北韓にロシア製の最新兵器を提供する可能性を示唆しました。
ロシアのプーチン大統領の最側近とされるメドベージェフ安全保障会議副議長は19日、ソーシャルメディアへの投稿で、「われわれが韓国の最も近い隣国である北韓に最新兵器を提供したら、韓国国民は何と言うだろうか」と書き込み、韓国がウクライナへの武器支援に踏み切った場合、報復として北韓にロシア製の最新兵器を提供する可能性を示唆しました。
この発言について、アメリカの軍事戦略を研究する民間のシンクタンク、ランド研究所の研究員は、「北韓への軍事的技術移転を正当化しようとしている」と指摘し、ロシアが北韓に核とミサイルの開発技術を移転する可能性が高くなったとの見方を示しました。
この研究員は、「ロシアは、長い間、秘密裏に北韓に対する軍事支援を行ってきた。北韓が10年前からミサイル発射実験に成功するようになったのは、ロシアからスカッドミサイルの技術を提供されたからだ」と指摘しています。
一方、ロシアの外務省は20日、ウクライナへの軍事支援に関する尹大統領の発言に対し、「ウクライナへの武器支援は、ロシアへの敵対行為とみなす」と警告し、「両国関係に極めて否定的な影響を与えるものだ。韓半島情勢をめぐるロシアの立場にも反映されるだろう」と述べました。
尹大統領は 19日付のロイター通信とのインタビューで、「民間人への大規模な攻撃や虐殺、戦争法の深刻な違反など、国際社会が容認できない状況となれば、人道主義や資金支援だけを主張するのは難しい」と述べています。
これに対し、アメリカ国防総省は19日、「NATO=北大西洋条約機構とウクライナ防衛コンタクトグループに対する韓国の貢献を歓迎する」としています。