尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がアメリカへの国賓訪問に先立って行ったインタビューで、韓日関係改善の必要性を改めて強調したのは、安全保障や経済分野における韓日米3か国の協力が不可欠であるという判断が背景にあるとみられます。
先月、日本を訪れ岸田総理大臣と首脳会談を開いた尹大統領は、今月26日に韓米首脳会談、来月にはG7=主要7か国の首脳会議を通じて、韓日米の協力体制を強化する考えだということです。
尹大統領は、ワシントンポストとのインタビューで、「100年前に起きたことのために、日本がひざまずいて謝罪するべきだという考え方は受け入れられない」と話しました。そのうえで「これは決断の問題であり、国民を説得するために最善を尽くす」と強調しました。
この発言について、最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は、「韓国の大統領として決して言ってはいけないことだ」と強く批判しました。
尹大統領は、世界が抱えるさまざまな危機を乗り越えるためには、法の支配のもと、自由や人権といった普遍的価値を共有する韓日米の協力を強化すべきだという考えを、今回の韓米首脳会談のあとも引き続きアピールするものとみられます。
これは、韓日米の協力強化には韓日関係の改善が必須だという認識に基づいた外交方針だとみられています。
一方、尹大統領は、ウクライナについては、「ウクライナに何をどう支援するかについては、韓国と交戦国との直接・間接的な関係を考慮しなければならない」と述べ、やや慎重な立場を示しました。
尹大統領は、先週ロイター通信が報じたインタビューでは、ウクライナへの軍事支援について、「民間人への大規模な攻撃や虐殺、戦争法の深刻な違反など、国際社会が容認できない状況となれば、人道主義や資金支援だけを主張するのは難しい」と述べていました。