与党「国民の力」は、不適切な発言で混乱を招いたとして、金在原(キム・ジェウォン)最高委員と太永浩(テ・ヨンホ)前最高委員の党員資格を停止する懲戒処分を行いました。
「国民の力」の倫理委員会は今月8日に2人の弁明を聞いたうえで、10日に会議を開き、金氏に対して1年間、太氏に対して3か月間の党員資格停止をそれぞれ決めました。
金氏の発言で不適切とされているのは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が大統領選挙で掲げた「『5·18民主化運動』の精神を憲法の前文に入れる」という公約は、票を得るためのものだった」という趣旨の発言などです。
今回の党員資格の停止により、金氏は事実上、来年の総選挙の公認候補者となる資格も失いました。
太氏は、1940年代後半から7年以上にわたり、軍や警察が左派勢力の鎮圧を名目に、済州島住民の1割にあたる3万人を虐殺したとされる「4.3事件」について、「北韓の故金日成(キム・イルソン)主席の指示に触発されたものだ」とした発言や、来年の総選挙に向けた党の公認候補者選びに大統領室が介入したとする臆測を含んだ音声ファイルの流出などが問題視されていました。
太氏は、北韓の元外交官で、脱北後、韓国で国会議員となり、ことし3月には党の最高委員に当選していましたが、10日の懲戒処分が決まる前に、今回の騒動の責任を取って最高委員から退いています。