東京電力福島第1原発に溜まり続ける汚染処理水の海洋放出の安全性を検討する韓国の視察をめぐって、視察対象となる施設や共有される情報の範囲について、韓国と日本は今週、追加の局長級協議を行うことになりました。
両国は、韓国による視察をめぐる局長級協議の初会合を12日、ソウルで開きました。
政府の消息筋によりますと、12日の午後2時過ぎから始まった会議は予定していた時間をはるかに超えて、翌13日午前2時ごろまで続き、およそ12時間にわたって行われました。
協議が長引いたのは、視察団が接近できる具体的な施設や日本側から提供される情報などをめぐって韓日間で駆け引きが続いたためとみられます。
両国は、視察団が4日間の日程で訪問することでは合意していますが、視察に参加するメンバーや具体的な予定までは決められませんでした。
参加者について、韓国政府は、原子力安全規制に関する専門家20人前後を派遣する計画だと発表しています。
日程は、今月23日と24日を含む4日間になる見通しです。
12日の協議で、 韓国側は、東京電力が汚染処理水の安全性をアピールする資料に掲載されている施設や情報はすべて公開してほしいと求めました。
これに対して日本側は、「受け入れ可能な部分については努力するが、一部の放出施設がまだ日本の原子力規制委員会(NRA)の最終的な承認を受けておらず、日本の法律上、承認手続き中の設備を韓国に公開できるか判断するのは難しい」として、汚染水を処理する多核種除去設備、通称「ALPS(アルプス)」や海底トンネルなど、一部の施設については公開するかどうか回答を避けました。
視察の範囲については、今週行われる予定の2回目の協議で引き続き議論されるとみられます。
複数の政府消息筋が15日、明らかにしたところによりますと、2回目の会議は今週前半にテレビ会議形式で開かれる予定だということです。