尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は21日、韓国を訪問したドイツのショルツ首相とソウルの大統領室庁舎で首脳会談を開き、安全保障や経済分野における両国の協力策について議論しました。 
 
両首脳は、広島で開かれたG7サミットに参加した後、ソウルに移動して会談しました。 

ドイツの首相が韓国を訪れるのは、2010年にメルケル前首相がG20サミットで訪問して以来13年ぶりで、2国間の交流としては、1993年のコール元首相以来30年ぶりです。
 
首脳会談で尹大統領は、「韓国とドイツの交流が始まって140周年、韓国人労働者のドイツ派遣60周年を迎える年に韓国にお迎えし、更に意義深い」としたうえで、「韓国とドイツは、長い交流の歴史の中で、政治、経済、社会、文化にわたるすべての分野で互いに信頼し、協力するパートナーとして発展してきた」と述べました。
 
そのうえで、「両国は、戦争と分断の傷を経験したが、ライン川の軌跡と漢江の軌跡を通して眩い経済発展を成し遂げた」としたうえで、「戦争をはじめ、不安定なエネルギー安保とサプライチェーン、民主主義に対する権威主義の挑戦によって複合的なグローバル危機が続いているなか、自由を普遍的価値とする国との連帯と協力が非常に重要になっている」と強調しました。
 
尹大統領はまた、「今後韓国とドイツが、互恵的かつ未来志向の協力を更に拡大し、ヨーロッパとアジアの平和と繁栄に向けた連帯を強化していくことを期待する」と述べました。
 
これを受け、ショルツ首相は、「両国はここ数年間、経済面だけではなく、人的協力を緊密に行ってきた。過去にも多くの韓国人がドイツを訪れ、ドイツの経済成長に貢献した」と評価しました。
 
そのうえで、「韓国がここ数年間で成し遂げた経済成長も、われわれに深い感銘を与えた。韓国の発展を非常に誇らしく思っており、これを土台に両国関係が緊密に発展することを確信している」と強調しました。
 
ショルツ首相はまた、「北韓との軍事境界線で平和と安全保障を深刻に脅かしている状況を目撃した」としたうえで、「分断の経験を通して、両国関係は更に緊密に発展すべきだ」と述べました。