尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は22日、EU＝ヨーロッパ連合のミシェル常任議長とフォンデアライエン執行委員長と会談し、環境、保健、デジタルの3大分野での協力を強化することで一致しました。 
 
ミシェル議長とフォンデアライエン委員長は、G7広島サミットに出席したあと、1泊2日の日程で韓国を訪問しました。EUの常任議長と執行委員長が共に韓国を訪問したのは11年ぶりです。
 
韓国とEUが外交関係を結んでから60周年を迎えことを受け実現した今回の会談では、８年ぶりにEUとの首脳共同声明が採択されました。
 
共同声明には、韓国とEUが「グリーンパートナーシップ」を締結し、気候変動への対応、環境保護、エネルギー転換など、気候・環境分野における包括的な協力を拡大することが盛り込まれました。
 
また、保健分野では、医療対応手段の研究や国境を越えた深刻な保健危機への準備、ワクチンの生産と接種における第3国への支援などにおける協力を強化することで一致しました。
 
去年11月に締結された「デジタルパートナーシップ」については、協議を続けていくことで一致しました。
 
これに加え、韓国とEUの外相戦略対話を新設し、外交と安全保障政策の包括的な協力を強化することで合意しました。
 
さらに、産業政策対話を「供給網・産業政策対話」に拡大し、初会合を年内に開催することで一致しました。
 
この対話では、半導体のサプライチェーンの安定に向けた共同のメカニズムを開発するとともに、すでにEUで合意に至ったEU内での半導体生産の拡大に向けた「EU半導体法」について協議する見通しです。
 
また、韓国とEU、それぞれのインド太平洋戦略を確認し、共同プロジェクトの立ち上げなど、具体的な協力策を模索することで一致しました。
 
一方、EU首脳らは、北韓の非核化に向けた尹政権の対北韓政策「大胆な構想」への支持を表明しました。
 
これと関連し、尹大統領は、「われわれは、北韓の核とミサイルの開発が韓半島を越えて、世界の安全保障を深刻に脅かしている点で同意し、北韓の挑発に対する国際社会の一致した対応に向け緊密に協力することにした」と明らかにしました。