政府に対する質疑が12日から3日間の日程で始まりましたが、初日の政治・外交・統一・安全保障分野の質疑では、東京電力福島第一原発の汚染処理水の海洋放出をめぐり、与野党が激しい攻防を繰り広げました。
最大野党「共に民主党」は、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理や朴振(パク・チン)外交部長官らに対し、「国民の生命と安全保障がかかっている問題で、韓国政府は屈辱的な対日外交をしている」と批判しました。
これに対し、与党「国民の力」は、「『共に民主党』が国民の不安と反日感情を刺激し、根拠のない扇動をしている」と応酬しました。
韓国務総理は、「科学的に安全性が検証されないのであれば、福島汚染水放流には政府も賛成できない」とする一方で、適切に処理されたものであれば飲むこともできると述べました。
汚染処理水の放出をめぐっては、漁業関係者3000人あまりが12日、国会前で反対集会を開きました。
参加者は、「魚が売れなくなり、値段も下落するだろう」として、海洋放出の中止を求めるとともに、韓国政府については、「日本政府の代弁をしているようだ」などと批判しました。
また、「汚染水の放出は国際海洋法に違反する」とし、韓国政府に対して、日本政府を国際海洋法裁判所に提訴するよう求めました。
国会の政府質疑は、2日目となる13日は経済分野で議論が交わされ、与野党は汚染処理水の海洋放出のほか、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が拒否権を行使したコメの買い取り法や労働組合関連法の改正案などをめぐっても攻防を繰り広げるものとみられます。