IAEA=国際原子力機関が、東京電力福島第一原発の汚染処理水のサンプルに対する追加の分析を韓国の原子力安全技術院と共同で行い、ことし下半期に結果を発表することになりました。
IAEAによりますと、IAEA傘下の放射化学研究所は、韓国原子力安全技術院と共同で、福島原発の汚染処理水のサンプルに対する2回目、3回目の分析作業を行うということです。
IAEAは今月4日に、ALPS=多核種除去設備で処理したあと福島原発の敷地内のタンクに保管されている処理汚染水について、トリチウムのほか、人に影響を及ぼし得る放射性核種が含まれているかどうかなど、汚染処理水の海洋放出の安全性を検証する作業を行い、「国際的な安全基準に合致している」という骨子の包括的な報告書を公表しています。
この報告書には、汚染処理水のサンプルに対する1回目の分析結果も盛り込まれています。
1回目の分析は、客観性を確保するため、東京電力が分析した汚染処理水のサンプルと同じ試料を第3の研究施設に依頼し、結果を比較する方法で行われました。
1回目の分析結果報告書は、「トリチウム以外の放射性核種による人や環境への影響は無視できる程度のものだ」としています。
IAEAは、去年10月に原発敷地内のタンクから採取したサンプルで、2回目、3回目の分析も行う方針です。
IAEAによりますと、追加の分析は、1回目と同じように、研究所間の比較分析によって進められる見通しで、その結果を盛り込んだ報告書はことし下半期中に公表するということです。