党の代表を含め、複数の議員が汚職や不正で捜査を受けている最大野党「共に民主党」は、党の体質を刷新する取り組みの一つとして、国会議員の不逮捕特権を放棄する決議案を採択しましたが、対策が不十分だという声が党内からも上がっています。
党代表の李在明(イ・ジェミョン)氏に対しては、ことし2月、城南(ソンナム)市長時代の数々の不正疑惑をめぐり、検察が逮捕状を請求しましたが、現職議員の逮捕に必要な国会の同意が共に民主党の反対で得られず、不逮捕特権の乱用だとの批判が出ています。
また、李代表の前任者、宋永吉(ソン・ヨンギル)氏が2021年の党大会で代表に選出された際、陣営の関係者らが、宋氏の当選のために違法な資金を議員らに渡したとして、20人の議員に対する捜査が行われていて、今後、不逮捕特権の問題が再浮上する可能性が出ています。
さらに、党の有力議員が数十億ウォンの暗号資産を保有していたことが明るみに出て党の支持率が下がり危機感が高まっていました。
こうしたなか、「共に民主党」は、党の体質改善を図るため、ことし5月に「革新委員会」を立ち上げました。
革新委員会は、具体策として、議員全員の不逮捕特権の放棄と国会での逮捕同意案を党の規約として採択することを提案しました。
「共に民主党」は18日に総会を開き、国会議員の不逮捕特権を放棄する内容の決議案を採択しました。
ただ、党の規約ではなく、拘束力が低い「決議」にとどまったほか、不逮捕特権の放棄の条件として、「正当な令状請求に対して」という主観的判断の余地が残る但し書きを付けたため、中途半端な改革になっているという批判が出ています。