韓国で不審な国際郵便物が届いたとの通報が相次いでいることについて、政府は、「テロとの関連性はない」と結論づけました。
国務調整室のテロ対策センターは24日、「最近、不審な国際郵便物が届いている件について調査を行ったところ、テロとの関連性は見つからなかった」と発表しました。
テロ対策センターは、今月20日に南東部の蔚山(ウルサン)市にある障がい者福祉施設に不審な小包が届き、開封した職員3人が、めまいと呼吸困難を訴えて病院に運ばれた件について、小包を分析した結果、化学剤や生物剤、放射性物質などは検出されなかったということです。
続いて国防部傘下の「国防科学研究所」が行った精密検査でも、危険物質は検出されなかったため、「テロの疑いはない」と最終的に結論付けたということです。
不審な国際郵便物が届いたという通報は、20日以降、2141件受け付けられ、このうちの679件が差出人不明の国際郵便物でした。
テロ対策センターは、「この679件からも危険物質は検出されず、テロの疑いはないことが確認された」としています。
一方、捜査当局はインターポールなど、海外の情報機関や捜査機関と協力して、国際郵便物の差出地を追跡し、国際犯罪との関連性などについて調べています。
警察は、今回の不審な国際郵便物の発送場所は、3年前にアメリカで起きた「ブラッシング詐欺」で使われた中国の差出地と同じ場所だと見ていると明らかにしました。
「ブラッシング詐欺」は、通販の出品者が無作為に商品を発送し、受取人に成り済まして高評価を付ける詐欺の手法のひとつです。