尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は28日、国会で人事聴聞報告書が採択されていない金暎浩(キム・ヨンホ)氏を統一部長官に任命しました。
大統領室によりますと、尹大統領は28日、金氏の統一部長官への任命案を承認したということです。
尹政権の発足以降、野党の反対で人事聴聞報告書が採択されないまま任命された閣僚や次官級の人事は、これで15人目となります。
尹大統領は、金氏の人事聴聞報告書を今月27日までに送付するように国会に再要請していましたが、報告書は結局採択されませんでした。関連法によりますと、国会は人事聴聞会の開催を求める要請書が提出されてから20日以内に人事聴聞会の開催と人事聴聞報告書の採択を行わなければならず、期限が過ぎた場合、大統領は10日以内の期限を設けて報告書の送付を再要請することができます。国会がこれに応じない場合、大統領は報告書なしに任命を行うことができます。
金暎浩氏は、保守系の李明博(イ・ミョンバク)政権で大統領府の統一秘書官を務めていて、北韓に厳しい姿勢で臨む「強硬派」とされています。
野党は、金氏が過去の著書や寄稿、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで「金正恩(キム・ジョンウン)政権打倒」、「南北関係は敵対関係」などと主張した点を挙げ、極右思想を持っていて、統一部長官には不適格な人物だと批判しています。