尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、住宅公社のマンションで手抜き工事が行われていた問題について、設計の誤りや手抜き工事などはいまの政権が発足する前に行われたとして、事実上、前政権を批判しました。
尹大統領は1日の閣議で、「設計ミスや手抜き工事が見つかったマンションは、いずれもいまの政権が発足する前に、施工と監理が行われた」と指摘しました。
これは、問題となっている工法が、先の文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した2017年ごろから普及したとして、事実上、前の政権に批判の矛先を向けたものとみられます。
尹大統領は、同じ工法で施行された全国のすべてのマンションに対して早急に調査を行うよう指示しました。
ことし4月、仁川にある韓国土地住宅公社のマンションの建設現場で、地下の駐車場が崩壊する事故が起きていて、事故の原因として、鉄筋不足が指摘されています。
このマンションには、フラットスラブ構造と呼ばれる工法が適用されていました。
これは、床にかかる重みを、床下にはりを設置するかわりに、床自体を補強することで支える工法で、部屋の間取りを比較的自由に変えられることや、上階からの騒音防止に効果があることで、海外でも採用されています。
国土交通部によりますと、住宅公社が発注したマンションのうち、同じ工法で施行されたマンションの多くで鉄筋不足が確認されたということです。
施工を担当したGS建設の関係者は、「工法の問題というよりは、設計や施工上の問題と見て原因を調査している」と説明しています。