韓国では放送通信委員会が理事会のメンバーの人事権を持つ放送局は公共放送とされていて、現在、KBSのほか、教育専門チャンネルのEBSと、政府が出資する民放MBCの3つが該当します。尹政権での放送通信委員会は、公共放送局の理事会について、野党系のメンバーから与党系の人材に入れ替えを進めています。
放送通信委員会は、保守系のケーブルテレビ局の審査に不正があったとされる問題への関与を理由に、KBS理事会のユン・ソンニョン理事を、先月、解任しました。
放送通信委員会はさらに、今月16日に全体会議を開き、KBSとMBCの理事会のトップの解任案を議決する予定です。
KBS理事会の南永振(ナム・ヨンジン)理事長の解任理由は、法人カードを不正に使用した疑いとされています。
MBCの大株主である放送文化振興会の権台仙(クォン・テソン)理事長については、MBCの経営管理と監督を怠ったことにくわえ、株式を他人名義で保有している疑惑が持たれている安亨浚(アン・ヒョンジュン)氏をMBCの社長に選任したことが解任の理由とされています。
安社長の選任をめぐっては、MBCの理事1人もあわせて解任されるものとみられます。
全体会議ではまた、EBS理事会のチョン・ミジョン理事も、ケーブルテレビ局の不正審査の問題と関連して解任が審議される見通しです。
公共放送局の人事を決定する放送通信委員会は、現在、政府・与党が推薦した委員2人、野党が推薦した委員1人の3人からなり、政府・与党の案が議決される公算が高くなっています。
一連の解任手続きによって、KBSとMBCの理事会は、いずれも与党が推薦したメンバーが多数を占めるようになる見通しです。
*8月25日修正