大型の台風6号は10日午前9時20分ごろ、韓半島南部の慶尚南道(キョンサンナムド)巨済(コジェ)市付近に上陸し、時速29キロの速さで北上しています。夜には首都圏に達するものとみられます。
気象庁によりますと、10日午後3時の時点で、台風6号の中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は秒速29メートルということです。
台風は、午前中に慶尚南道を北上し、午後には忠清北道(チュンチョンブクド)を通過、夜9時ごろにはソウル南東の30キロ付近の京畿道(キョンギド)まで進む見通しだということです。
11日未明には北韓の黄海道(ファンヘド)に向けてさらに北上し、次第に勢力が弱まるとみられます。
10日から11日にかけて、秒速15メートル以上の強風域が半径320キロに達し、韓半島全土が強風域に入る見込みです。
さらに台風の中心付近では秒速30メートル前後の強い風が吹きそうです。
また、台風にともなう雨雲の影響で、江原(カンウォン)道東部では最大300ミリ、一部の地域では最大500ミリ、慶尚南道(キョンサンナムド)では最大300ミリの雨が降るところがありそうです。
首都圏などでも最大200ミリの雨がさらに降る見込みです。
浸水が懸念される地域や土砂災害の恐れのある地域など11の市や道に住む住民1万3000人あまりが避難したほか、一部の学校は、臨時休校または遠隔授業を行っています。
交通機関にも影響が出ています。
国土交通部によりますと、10日午前8時半の時点で、すべての航空機の運航が中止となっている済州空港を含む11の空港で、452便が欠航となり、フェリーも154便が欠航となりました。
高速鉄道110便あまりと一般鉄道240便あまり、それに釜山の地下鉄の一部の区間は、始発から運行を見合わせています。
政府は、台風の警戒レベルをもっとも高い「深刻」に引き上げていますが、全国が台風の強風域に入るとみられることから、警戒をさらに強めています。