福島第一原発の汚染処理水の海洋放出について、韓国政府が日本政府に対して、来年4月に予定されている韓国の総選挙よりできるだけ前に始めるよう要請したという日本メディアの報道について、政府は「そのような事実はない」と否定しました。
朝日新聞は、16日付けの記事で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権と与党「国民の力」の内部から、汚染処理水の海洋放出が避けられないのであれば、来年の総選挙への悪影響をできるだけ減らすため、放出を早期に行うよう要求すべきだという声が出ていると報じました。
また、こうした政府と与党の意向は日本側にも非公式に伝えられていて、放出をめぐる日本政府の判断にも影響を及ぼす可能性があるとしています。
最大野党「共に民主党」の朴省俊(パク・ソンジュン)報道官は17日、海洋放出に対する国民の不安に触れながら、「早期放出を要請したのが事実であれば許しがたいことだ」と批判しました。
これに対して国務調整室の朴購然(パク・クヨン)第1次長は、「汚染処理水の海洋放出に対する政府のあらゆる判断は、政治的な考慮は一切せず、国民の健康と安全を優先し、科学的な検討に基づいている」と述べ、「日本側に早期放出を要請した事実はない」と明らかにしました。
朴次長はまた、日本政府が今月22日の閣議で放出の時期を決める可能性があるという報道については、「数週間にわたって行われてきた両国間の会議では、日本側から具体的な放出時期に関する言及はなかった」と述べました。