韓日間の懸案となってきた徴用訴訟問題をめぐって、これまでに2つの地方裁判所が、韓国政府の解決策を実施するために申請された供託の手続きを受け付けない判断を示していますが、あらたに水原(スウォン)の地方裁判所も、供託申請の棄却は妥当だとの判断を示しました。
徴用訴訟問題では、2018年に最高裁に当たる大法院の判決により勝訴した徴用被害者ら15人のうち、4人の当事者や遺族が、日本企業に課せられた賠償金の支払いを韓国政府傘下の財団が肩代わりするという政府の解決策を受け入れず、財団からの賠償金の受け取りを拒否する意向を示しています。
財団は4人の原告が居住する地域の地方裁判所に賠償金を供託する手続きを取りましたが、1件も受理されなかったため、地方裁判所で供託を担当する職員の対応について、裁判官の判断を仰ぐとして異議を申し立てました。
水原地方裁判所は21日、「債務の弁済に関して当事者が拒否の意思を示せば第三者は弁済できない」と定めた民法の第469条を根拠に、受け取る側が反対の意思を明確に表明していることから、供託金を受理しなかった職員の判断は間違っていないと結論付け、財団の異議申し立てを棄却しました。
これに先立ち、全州(チョンジュ)と光州(クァンジュ)の地方裁判所も、供託申請が受理されなかったことに対する異議申し立てを棄却していて、供託を通じた政府の解決策の実施は事実上行き詰まった形となりました。