韓国国内で治安に対する懸念が高まっていることを受け、政府は来年、ことしの4倍を上回る1兆1500億ウォンの予算を投じて犯罪対策を強化する方針です。 
 
政府が29日にまとめた来年度の予算案によりますと、犯罪対策を強化するため、1兆1500億ウォンの予算が組まれました。これは、ことしの4倍を超えるものです。
 
まず、賃貸マンションの保証金をだまし取るなどの不動産詐欺に対応するための予算として、およそ7000億ウォンが編成されました。

また、各地で相次いでいる通り魔事件などの凶悪犯罪に対応するため、1000億ウォンが計上されました。
 
このうち、80億ウォンあまりを投じて、警察官全員が拳銃を持てるよう、拳銃の支給を増やします。現状の支給率は、警察官3人で1丁の割合となっています。
 
また、機動隊に、刃物による攻撃から身を守るための防刃ベストや警棒などを追加で支給するとしています。
 
さらに、犯罪者のうち精神障害を持つ人の割合が増えていることから、こうした人への支援を強化するため、1000億ウォンが投じられるということです。この予算内で、自殺予防のための相談窓口の対応も拡充します。
 
加えて、後を絶たない麻薬犯罪に対応するための予算も600億ウォンあまりが組み入れられました。