過去の政権では現職の大統領は与党の勉強会に出席しないことが恒例となっていましたが、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、政策課題に対する与野党の溝が埋まらないなか、政府と与党の結束を固めるため、2年連続で与党の勉強会に出席しました。
与党「国民の力」は、一年に一度開く大規模な勉強会を28日に開きました。
勉強会には、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副総理兼企画財政部長官や李周浩(イ・ジュホ)副総理兼教育部長官など各省庁の長官のほか、「国民の力」の議員110人が出席しました。
尹大統領が与党の勉強会に出席するのは去年に続いて2回目です。
現職の大統領が与党の勉強会に出席するのは異例で、来月1日に始まる通常国会と来年4月に行われる総選挙に向けて、政府と与党の結束力を固める狙いがあると大統領室は説明しています。
勉強会に出席した尹大統領は、福島第一原発の汚染処理水の海洋放出について、反発を続ける野党との対決姿勢を示しました。
また、「目指す方向が同じでなければ協力も妥協もできない」と述べ、野党をけん制しました。
尹大統領はさらに、国政課題への対策を進めるうえで、思うようにスピードが出せない原因は、野党が多数を占める国会と野党を支持する勢力が実権を握っているマスコミにあると批判しました。