韓国では保護者からの過剰な要求や抗議を苦にして教師が命を絶つ事件が相次いでいますが、4日には、ことし7月に亡くなった教師を追悼して、教員の権利の強化を求める集会が全国各地で開かれます。
ことし7月18日、ソウル瑞草(ソチョ)区にある小学校で、1年生の担任教員が保護者からの過剰な苦情を苦に自殺し、4日に四十九日を迎えました。
これに合わせて、教師たちが参加する追悼行事が各地で行われる予定で、このうちソウルでは、午後4時30分から国会前で集会が開かれます。
政府は、教師の自殺をめぐる真相究明を約束し、教師の権限の回復に向けた対策を発表しましたが、教師たちは政府の対策には実効性がないとして、児童虐待処罰法の即時改正などを求めています。
韓国では、教育現場での教員による正当なしつけを、児童虐待として通報するケースが多く、教師が正当な教育活動を行えなくなっていると指摘する声が上がっています。
教育部は、教師たちが集会を開いた場合は法に従って懲戒も辞さないとしていますが、全国の小学校30校が4日を臨時休校日に指定しているうえ、一部の地域では教育委員会に当たる教育庁が教師の参加を支援していて、集会は大規模なものになるとみられます。
また、韓国では、この4日間で、京畿道(キョンギド)と全羅北道(チョンラブクド)群山(クンサン)で合わせて3人の教師が、業務上でのストレスなどを理由に自ら命を断っていて、教師としての権威・権限の墜落をめぐって教師らの怒りがこれほど噴出した例はなく、年次有給休暇や病気休暇を取って集会に参加する教師も少なくないとみられています。