政府は、東京電力福島第一原発から出る汚染処理水の海洋放出をめぐって、国民の間で不安が広がっていることを受け、高速鉄道のKTXとSRTの車両内で、海洋放出の安全性について説明する広報資料を配布しました。
国会の国土交通委員会所属の野党議員が5日、明らかにしたところによりますと、文化体育観光部は今月1日、KTXとSRTの座席ポケットに、「福島汚染水の10の怪談」と題したパンフレット、7万5000部あまりを入れました。
このパンフレットの発行元は「大韓民国政府」となっていて、目次には、「文政権は反対していたのに、尹政権はなぜ賛成するのか?」、「放出される水は汚染水か?」、「放出以降、福島産水産物を輸入するか?」などの質問が並んでいます。
政府は、すべてにおいて「まったく根拠のないフェイクニュースだ」と主張し、一つ一つその理由を説明しています。
パンフレットの配布期間は今月7日までで、その後、鉄道会社が回収する予定だということです。
野党は、「政府が汚染処理水に対する国民の不安を怪談扱いしている」として、反発しています。