ソウル市内の公園に設置されていた、旧日本軍による慰安婦の被害者に関する作品が、作者が性犯罪で有罪判決を受けたことを理由に撤去されました。
ソウル市は、林玉相(イム・オクサン)氏の作品2点を5日午前、南山(ナムサン)公園内の、慰安婦の歴史を記録するために作られた「記憶の場」から撤去したと明らかにしました。
林氏は強制わいせつ罪の疑いで訴えられていて、先月17日、1審で懲役6か月、執行猶予2年の有罪判決を言い渡されました。
これを受けてソウル市は、「戦争下の性犯罪により生涯、苦しみ続けてきた慰安婦被害者のための空間に、性犯罪で有罪判決を受けた作家の作品を放置することは、慰安婦を侮辱することだ」として、作品を撤去する方針を明らかにしていました。
ただ、「記憶の場」が2016年に市民2万人あまりからの募金で造成された空間である点を考慮し、「記憶の場」自体は残しつつ、林氏の作品を撤去することにしたということです。
しかし、慰安婦支援団体は、ソウル市が「記憶の場」の設立推進委員会と協議を行わず、突如、撤去を決めたとして、政治的なねらいがあるのではないかと批判しています。