パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の衝突を受けて、大統領室は緊急の会議を開きました。
関係者によりますと、大統領室は、今回の衝突により、周辺国も巻き込んで、中東情勢がさらに不安定化する懸念があるとみて、韓国の安全保障への影響を点検しているということです。
また、国際原油価格の高騰など、韓国経済に与える影響についても点検を行っています。
政府は、イスラエルに「特別旅行注意報」を発令し、現地に滞在中の韓国人に対して避難するよう呼びかけています。ただ、テルアビブのベングリオン国際空港が正常に機能しているため、軍の輸送機を派遣して現地の韓国人を帰国させることについては、現時点では検討していないということです。
大韓航空は、韓国人の帰国を支援するため、10日未明にテルアビブ発仁川行きの便を運航することにしています。
大統領室は、ハマスとイスラエル軍の衝突が全面戦争に発展するおそれがあることから、今後、状況を注視していくとしています。
一方、ハマスとイスラエルの衝突をめぐり、国連の安全保障理事会は現地時間の8日、非公開の緊急会合を開きました。
会合では、多くの理事国が事態の沈静化を求めましたが、共同声明など具体的な対応はまとまらなかったということです。