イスラエルとパレスチナの紛争が激化していることを受け、韓国政府はイスラエルに滞在している韓国人に対して、出国を呼びかけています。現在、イスラエルにいる韓国人の数は、長期滞在者がおよそ570人、短期滞在者がおよそ480人となっています。 
 
尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領は10日の閣議で、パレスチナのイスラム組織「ハマス」とイスラエル軍の武力衝突について言及し、「イランとヒズボラがハマスを支持し、アメリカやイギリス、フランス、ドイツなどがイスラエルの自衛権を支持しているため、今回の事態が国際紛争に拡大する可能性を排除できない」と述べました。
 
そのうえで、「中東地域での紛争は国際的な原油高につながり、インフレによって生活の負担が増す」と指摘したうえで、「ウクライナ戦争に加え、中東での紛争によって世界経済の不確実性が高まっている」として危機感を示しました。
 
一方、外交部は、短期滞在の韓国人およそ480人のうち、191人が現地時間の10日午後1時45分に大韓航空の便で出国する予定で、27人は10日に陸路で近隣のヨルダンに移動し、30人は12日にトルコ航空で帰国する予定だと発表しました。
 
また、残りの滞在者についても、引き続き、出国を促しているということです。