次の女性家族部長官の候補に指名されていた金杏(キム・ヘン)氏が候補を辞退しました。
金氏は、「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に迷惑をかけ申し訳ない。辞退することが、尹政権と与党『国民の力』に少しでも役立つことを期待する」と述べ、辞退を正式に発表しました。
金氏をめぐっては、女性家族部長官候補に指名された先月中旬以降、さまざまな疑惑が浮上していました。
金氏が旧大統領府青瓦台の報道官に就いた2013年に、自らが創設したメディアの株式を、適切な手続きを踏まずに身内に売っていたことがわかり、批判されました。
また、今月5日に開かれた人事聴聞会の最中に会場を飛び出したまま戻って来ず、物議をかもしました。
12日に開かれた「国民の力」の会議では、金氏を辞退させるよう大統領室に促すべきだという意見も党内から出ていました。
ソウル市江西(カンソ)区の区長を選ぶ補欠選挙で「国民の力」の候補が敗北し、与党への風当たりが強くなるなか、説明責任を果たせない金氏の任命を強行した場合、政治的なリスクが大きいと判断したためとみられます。
尹政権が発足した去年の5月以降、閣僚候補が辞退したのはこれで5人目です。
金氏が辞退したことで、現職の金賢淑(キム・ヒョンスク)女性家族部長官が引き続き長官職にとどまることになりました。