先月開かれた国連総会で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が提案した「カーボンフリーアライアンス」が27日、発足しました。
「カーボンフリーアライアンス」は、脱炭素社会を実現するための手段を、太陽光など再生可能エネルギーだけでなく、原子力や水素など、直接的には炭素を排出しない発電方法も含めようという提案です。
ヨーロッパなど先進主要国を中心に推進されている「RE100」は、企業が自らの事業で使用する電力について、太陽光や風力、水力など再生可能エネルギーだけでまかなうという取り組みですが、韓国では、再生可能エネルギーをさらに普及させるにあたって、増大するコストの負担が課題となっています。
27日に開かれた発足式で、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は、「カーボンフリーアライアンスは、気候、環境、エネルギーなど、国際社会が直面している多様な難題を解決するための韓国からの提案だ」としたうえで、「政府は、カーボンフリーアライアンスが具体的な成果をあげられるよう努力する」と強調しました。
政府は、企業が使用する電力について、原子力発電なども含めてカーボンフリーエネルギーとして国際的に認められるようにするため、認証システムの整備や国際標準化を進めるとともに、来月サンフランシスコで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議などで、各国にアライアンスへの参加を呼びかける方針です。
しかし、こうした韓国政府の取り組みについて、環境団体は「グローバルトレンドに逆行する流れだ」と批判しています。
環境保護団体グリーンピースの関係者は、「海外の主なグローバル企業が再生可能エネルギーの利用拡大を推し進めるなか、これに逆行すれば、グローバル企業に部品を輸出する韓国企業にも全くプラスにならない」と指摘しています。