フランスなどで大量発生し社会問題にもなっているトコジラミをめぐって、国内の宿泊施設などでも被害が相次いでいることを受けて、政府は関係省庁の会議を開き対策を議論しました。
政府は31日、トコジラミによる被害の対策を議論するため、疾病管理庁、保健福祉部、環境部などの関係省庁が参加する会議を開き、共同宿泊施設に対する管理や防除策について議論しました。
先月、大邱(テグ)にある大学の学生寮でトコジラミに刺されたという通報があり、今月13日には、仁川の大衆浴場でトコジラミの成虫と幼虫が発見されたほか、京畿道(キョンギド)富川(プチョン)でもトコジラミが発生するなど、関連の通報が相次いでいます。
トコジラミは感染症を媒介するという事例はありませんが、トコジラミに血を吸われると強いかゆみを引き起こし、それによって不眠症や神経障害、発熱などの症状が出ることがあります。
国内でのトコジラミによる被害は、1960年代に朴正煕(パク・チョンヒ)政権で進められた地域開発運動の「セマウル運動」によって農村などでの衛生状況が改善したことに加え、1970年代に有機塩素系の殺虫剤「DDT」が導入され大きく減りましたが、最近、フランスをはじめとする諸外国で拡散し問題となっているなか、国内でも通報が相次いでいます。
これを受けて疾病庁は、来月1日から空港の出国ゲートや海外感染症申告センターでフランスやイギリスなどトコジラミが発生している国を行き来する人や、これらの国から貨物を持ち込む輸入企業に対して、トコジラミなどの害虫を予防するためのルールを周知することにしました。
また、検疫所での駆除業務も強化していく方針だということです。