生まれつき子宮がない患者に、脳死したドナーの子宮を移植する手術が、韓国で初めて成功したことがわかりました。この患者は、以前、母親が提供した子宮の移植手術に失敗していて、今回、2度目の移植で成功しました。子宮の再移植手術が成功したのは、世界で初めてです。
サムスンソウル病院が明らかにしたところによりますと、病院の子宮移植チームがことし1月に、生まれつき子宮がない30代の患者に脳死ドナーの子宮を移植する手術を行ったということで、10か月目を迎えた現在も状態が安定しているということです。
生まれつき子宮と膣がない、あるいは発達しない病気は、5000人の女性のうち1人の割合で発生します。
ただ、卵巣の機能が正常であれば、子宮を移植した場合、理論的には妊娠と出産も可能だということです。
この患者は、去年7月に母親の子宮を移植しましたが、移植した子宮の動脈と静脈の血流がスムーズに行われず、2週間後に移植した子宮を摘出しました。
その後、ことし1月に、移植条件を満たす脳死ドナーが現れ、再手術を行った結果、29日後に月経があったということです。病院によりますと、これは子宮が患者の体に安定的に定着したしるしだということです。
この女性は、現在、自分の卵子と夫の精子を使って体外受精を行い、受精した胚を自身の子宮に戻す方法で妊娠を試みているということです。