尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、新たな放送通信委員長の候補に検察出身の金洪一(キム・ホンイル)氏を指名しました。大統領が、放送と通信を所管する委員会の長として、この業界での経験が無いだけでなく、自身と同じ元検察官を指名したことに、野党は強く反発しています。
前任の李東官(イ・ドングァン)氏は、ことし8月から放送通信委員長を務めていましたが、最大野党「共に民主党」から弾劾訴追案が出されたこと受け、自ら辞意を表明し、尹大統領が今月1日に辞任を承認しました。
李氏の後任に、大統領が検察出身の金氏を指名したことから、大統領が目指す放送改革をさらに推し進める狙いがあるという見方が出ています。
金氏は、ソウル中央地方検察庁の第3次長と、日本の最高検察庁にあたる大検察庁の中央捜査部長を務め、ことし7月からは、国務総理の直轄で、行政の腐敗防止を目的とする国民権益委員会の委員長を務めています。
中央捜査部長を務めていた2009年には、中央捜査部の第2課長を務めていた尹大統領の直属の上司でした。
金氏は、当初、法務部長官の候補として名前が挙がっていましたが、李氏の辞任を受け、放送通信委員長に指名されたものとみられています。