尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は19日、外交部長官と国家情報院のトップを刷新する人事を発表しました。
大統領室が19日午後発表したところによりますと、尹大統領は、外交部長官の後任候補として、元国連代表特命全権大使の趙兌烈(チョ・テヨル)氏を、国家情報院長の候補には趙太庸(チョ・テヨン)国家安保室長を、それぞれ指名しました。
来年4月の総選挙に立候補することが取りざたされていた朴振(パク・チン)外交部長官は先週、メディアとのインタビューで、出馬を公式に表明していました。
また情報機関である国家情報院は、内部の権力抗争などが問題視されていたことで、先月下旬に金奎顕(キム・ギュヒョン)院長が辞任し、トップのポストが空席となっていました。
大統領室は、外交部長官候補の趙兌烈氏について、「熟練した外交官で、特に経済通商分野に精通している」としたうえで、「経済と安全保障が複合的に絡み合う国際環境の中で、趙氏が持つ専門知識と外交感覚は様々な外交課題の解決に大いに寄与するだろう」と説明しました。
また、国家情報院長候補の趙太庸氏については、「外交部の第1次官と安保室第1次長、駐米大使など、外交安保分野における戦略家で、特に韓米関係や北韓問題に通じ、経験豊富な外交安保分野の専門家だ」としたうえで、「特に韓国の安全保障と情報能力の向上に向けて、役割が期待される」と説明しました。
外交部長官と国家情報院長のポストは、大統領による指名のあと、国会の人事聴聞会を経ることになっていますが、野党が人事案に反対したり、人事聴聞会自体が開かれない場合でも、大統領が自身の権限で任命できます。
一方、大統領室の国家安保室には、外交担当の第1次長、国防担当の第2次長に加え、経済安全保障を担当する第3次長のポストを新設することになりました。
その背景について大統領室では、「外交と経済の関係が崩れつつあり、国際経済秩序も大きく変動しているなかで、経済安全保障を専門に担当する第3次長のポストが必要だ」と説明しています。