振り込め詐欺など、特殊詐欺による被害額が、ことしに入って増加し続けていて、警察が注意を呼びかけています。
警察庁によりますと、家族や友人を装って電話をかけ、事件や事故に巻き込まれたかのように騙すことで金を振り込ませるといった特殊詐欺の被害額は、先月、483億ウォンと、ひと月の額としてはことしもっとも多くなったということです。
去年1年間の被害額は、前の年に比べて28%減りましたが、ことし1月から先月までは、毎月平均300億ウォン台の被害が発生し、増加が続いています。
なかでも、これまで被害が減っていた公的機関や金融機関を装って金をだまし取る詐欺が大幅に増えています。
こうした手口の一つは、検察庁や金融監督院など公的機関の職員をかたり、被害者の口座がマネーロンダリングに巻き込まれたとして、捜査に協力するよう求め、金をだまし取る手口です。
また、金融機関を装う手口は、銀行などの職員だと偽って、金利の低いローンに切り替えるよう勧め、金をだまし取ります。
件数でみると、ことし1月から11月までの特殊詐欺は、1万7089件と、前の年の同じ期間に比べて17%減った一方で、公的機関をかたるものは27%増加しました。
被害の額では、ことしは全体で24%減っているのに対して、公的機関をかたるものは7%増えました。
被害を受けた人を年代別に見ると、20代以下がもっとも多く、続いて50代、40代、60代の順でした。
警察庁の関係者は、「手口がより巧妙になっていて、警察の対応が追いついていない。被害に遭わないよう、一人ひとりが注意することが大事だ」と強調しました。