尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、およそ1か月間、空席となっている法務部長官のポストに、ソウル高等検察庁の元検事長を指名しました。
尹大統領は23日、法務部長官の候補として、ソウル高等検察庁の元検事長、朴成在(パク・ソンジェ)氏を指名しました。
朴氏は、前任の韓東勲(ハン・ドンフン)元長官よりも司法研究所の先輩で、検事としておよそ25年のキャリアがあり、ソウル高等検察庁の元検事長を務めた実績から、法務部長官としての指名は、組織の安定に重点を置いた人事だとみられています。
朴候補は2017年に退任したあとは、弁護士として活動しています。
尹大統領は、現在の刑事司法制度では、警察と検察の連携や役割分担がうまくいっておらず、腐敗に対する捜査や処罰などが適切に行われていないとして、刑事司法制度の改革を公約として掲げています。
大統領室は、朴候補が、政府が進めてきた刑事司法改革を引き継ぐ適任者であると説明しました。
一方、前任の韓東勲元長官は、先月、与党「国民の力」のリーダーとして就任するために、法務部長官を辞任しています。
韓氏は、尹大統領の夫人が法律で認められている額を超える贈答品を受け取ったとされる疑惑への対応をめぐって、このところ大統領と対立していて、大統領室は、今月21日に、韓委員長に与党のリーダーから退くよう要求したと伝えられています。
この報道が出た2日後に朴氏の指名が行われたことから、尹大統領と韓委員長の対立によって、法務部と検察の内部で動揺が広がることを防ぐ狙いがあるという見方が強まっています。