尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は、夫人の金建希(キム・ゴニ)氏が、公職に就く人の配偶者としては認められない額の高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑について、今月中にも、直接釈明するものとみられます。
大統領室の関係者は24日、「大統領が自ら立場を表明すべき状況となった」と話しました。
尹大統領は特定のメディアとの対談を通じて、国民にことしの国政運営の構想を説明したうえで、金夫人が高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑にも触れ、その経緯を説明し、国民の理解を求める方針だということです。
また、再発を防止するため、新たな組織の設置や特別監察官の任命など制度づくりも提案する可能性が高いとみられます。
ただ、問題となっているバッグを送った人物が、金夫人の両親との親しい関係を強調しながら近づき、受け渡しの場面を盗撮したことについては、政治工作であり、犯罪行為だとして、金夫人は被害者だということを強調するとみられます。
大統領室によりますと、「新年の記者会見や記者との懇談会など、さまざまな形式を検討したが、メッセージがきちんと伝わらないと判断し、対談形式に決めた」ということです。
この疑惑をめぐっては、大統領が直接釈明する必要があるという国民の声が高まっていました。
さらに、尹大統領と与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は、疑惑に対する対応をめぐって対立していましたが、23日に、両者が地方で起きた火災の現場を揃って視察したことで、和解のムードをアピールできたことから、大統領が釈明を行う場で、韓委員長との対立について厳しく追求される可能性が低くなったことも影響したとみられます。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の夫人、金建希(キム・ゴニ)氏をめぐる贈収賄疑惑は、おととしの9月に夫人が、自身の事務所で、アメリカに在住する韓国人の牧師から高級ブランドのポーチを受け取ったとされる場面の隠し撮りの映像が公開されて浮上しました。
今回、尹大統領が直接釈明をすることをもう一つの要因は、金夫人に対するもう一つの疑惑について、本格的な捜査が開始されるかどうかが来月初めに決まることも影響しているものとみられます。
金夫人は、株価操作事件に関与したとされていて、尹大統領は、特別検察が捜査するための法案について拒否権を行使しましたが、来月1日の国会本会議で再び採決される予定になっています。