ロシアのクラシックバレエの名門、ボリショイバレエ団のトップダンサー、スベトラーナ・ザハロワさんが来月、公演のため韓国を訪れる予定ですが、ソウルのウクライナ大使館は、プーチン大統領を支持するザハロアさんの来韓に反対し、ソウルで予定されている公演への出演を中止するよう求めました。
ボリショイバレエ団でプリンシパルを務めるザハロワさんは、来月17日から21日にソウルで行われる「モダンス」の公演で舞台に立つ予定です。
ザハロワさんの出演について、ウクライナ大使館は4日、「ロシアの不当な侵略を正当化し、ウクライナ国民の苦痛を軽視するもので、許され難い」と非難し、事実上、公演の中止を求めました。
また、「ロシア軍がウクライナで戦争犯罪を行い、文化遺産や建築物を破壊する一方で、プーチン政権は、文化を武器に、戦争、帝国主義、大量虐殺を正当化している」と批判しました。
ザハロワさんはウクライナ出身ですが、プーチン大統領寄りの政党「統一ロシア」に所属していて、ロシア連邦議会下院の議員を2度務めたほか、過去に、ロシアによるクリミア半島の併合を支持する立場を表明しています。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まって以来、世界各国でロシアの芸術団体や芸術家の公演などが相次いで中止となっているなか、ザワーロワさんは最近、西側諸国以外で主に活動しているということです。
一方、公演の主催側は、公演はロシアによる軍事侵攻が始まる前から企画されていたものだとしていますが、今回のウクライナ大使館による批判を受け、公演の中止も視野に検討しているということです。