去年12月に、ソウルにある朝鮮時代の王宮「景福宮(キョンボックン)」の壁がスプレーで落書きされた事件で、犯人の10代の男女は数日後に逮捕されていますが、この2人に指示を出していたとみられる30代の男が、事件の発生から5か月経って逮捕されました。
この事件は去年12月、景福宮西側の霊廟(ヨンチュ)門と、国立古宮博物館周辺の壁などに、「映画無料」という言葉とともに、映画やドラマを違法に共有するサイトのアドレスとみられる落書きが発見されたものです。
当時、警察に逮捕された犯人の10代の男女は、警察の調べに対して、「落書きをすれば金をやる」と言われ犯行に及んだと供述していました。
事件の発生から5か月あまりが過ぎた今月22日、警察は、指示役とみられる30代の男を逮捕しました。
男性は、違法動画サイトの運営者で、広報を目的に犯行に及んだとみられています。
警察によりますと、容疑者は実行犯との連絡にテレグラムというメッセンジャーアプリを使用していて、このアプリは海外のサーバーを使っているため追跡に時間がかかったということです。
警察は、文化財保護法違反とわいせつ物頒布の疑いで拘束令状を申請する方針で、男と一緒に違法サイトの運営に関わった人物の捜査も進めています。
景福宮では、この事件の直後にもう1件、落書きがされていて、国家遺産庁は、落書きの消去作業にかかった費用、あわせておよそ1億5千万ウォンを、来月、事件に関わった全ての犯人に対して損害賠償請求を行う方針です。