北韓が飛ばしたとみられる、汚物などをぶら下げた風船が韓国の各地で相次いで見つかりました。今月上旬に脱北者の団体が韓国側から北韓に向けて、金正恩（キム・ジョンウン）体制を批判するビラを飛ばしたことへの北韓の対抗措置とみられます。 
 
韓国軍の合同参謀本部は28日、北韓が飛ばしたとみられる風船が、京畿道（キョンギド）や江原道（カンウォンド）など北韓との境界線に接する地域だけでなく、韓国南部でも発見されたと明らかにしました。

風船は、あわせておよそ260個見つかったということです。

合同参謀本部によりますと、風船からは排泄物とみられる汚物やゴミが見つかったということですが、プロパガンダのビラなどはなかったということです。
 
これに先立ち、脱北者の団体が今月10日に北韓の体制を批判するビラとともに、K-POPの動画などが入ったUSB2000個を、大型の風船20個に結んで北韓に向けて飛ばしました。
 
北韓へのビラ散布については、北韓との融和を重視した先の文在寅（ムン・ジェイン）政権がこれを禁じる法律を制定しましたが、憲法裁判所が去年9月、表現の自由を過度に抑制するとして、この法律を違憲と判断しました。
 
その後、北韓へのビラ散布が再開されたことを受け、北韓は今月26日、「大量の紙くずと汚物を韓国に散布する」と威嚇していました。