韓国の電力供給と需要に関する基本計画を策定するための専門家委員会は、9年ぶりに原子力発電所を増設する内容を盛り込んだ電力需給計画の素案を発表しました。AI産業の拡大で電力需要が大幅に増えることを見据えたものです。
有識者でつくる電力需給基本計画総括委員会は、今後15年間の電力の需給予測と発電計画などを盛り込んだ需給計画案を政府に提出しました。
委員会は、AI産業の拡大により、2038年までに最大3基の原発が新たに必要になると見ていて、特に2030年には半導体とデータセンターの電力需要が去年に比べて2倍以上増えるものと見込んでいます。
電力需給の基本計画は2年ごとに発表されますが、原発を増設する内容が盛り込まれたのは、2015年以来9年ぶりで、次世代の原子力発電として注目されている小型モジュール炉=SMRの建設計画も今回初めて盛り込まれました。
また、太陽光と風力発電の設備を大幅に増やすことで、2038年には、全発電量に占める原発と再生可能エネルギーの割合が70%に達するものと予測しています。
政府は、ことしの下半期に計画を確定するにあたり、原発の建設予定地での住民の反発や野党の反対など、解決すべき課題が山積みとなっています。