脱北者の団体が、北韓の体制を批判するビラ20万枚を北韓に向けて散布したことがわかりました。北韓は、韓国に対してビラ散布を再開した場合は、「汚物をぶら下げた風船を再び散布する」と警告していて、北韓が報復措置を取る可能性が出ています。
脱北者の団体「自由北韓運動連合」によりますと、6日午前0時からおよそ1時間にわたって、大型風船10個を使ってビラ20万枚と、演歌にあたる韓国のトロットの動画などが入ったUSBメモリーなどを北韓に向けて散布したということです。
この団体は先月10日にも、ビラ30万枚と、K-POPやトロットの動画などが入ったUSBメモリー2000個を大型の風船20個にぶら下げて北韓に向けて飛ばすなど、北韓への宣伝活動を続けています。
北韓はビラ散布への対抗措置だとして、先月28日から、ゴミや汚物をぶら下げた風船およそ1000個を韓国に向けて飛ばしたのに続いて、GPSシステムを妨害する電波を発信しました。
これに対して政府が今月2日、「北韓にとって耐え難い措置に乗り出す」という方針を発表すると、北韓は、朝鮮中央通信を通じて談話を発表し、「風船の散布を暫定的に中断する」と明らかにしていました。
ただ、韓国側が、再度ビラを飛ばした場合は、「100倍の量を散布する」と警告していて、北韓が今回のビラ散布に対抗措置を取る可能性が出ています。