韓国で初めて生まれたジャイアントパンダの「福宝(フーバオ)」は、ことし4月に中国に返還されましたが、そのおよそ2か月後に一般公開されました。福宝のおかれている境遇を心配する声に中国当局が応えた形です。
中国は12日、福宝の公開イベントを生中継したほか、前日の11日には、国内外のメディア向けに懇談会も開催しました。
中国四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターにある、福宝が暮らす基地には、世界各国から返還されたパンダ7頭がいますが、公開イベントが開催されたのは、福宝が初めてです。
この日初めて屋外の飼育エリアに姿を現した福宝は、多くの観覧客の前で、元気そうに竹を食べる様子を披露しました。
福宝は、2016年に韓国と中国の友好関係のシンボルとして中国から贈られた母親の愛宝(アイバオ)と父親の楽宝(ローバオ)の間で自然繁殖によって2020年に生まれました。
福宝は、ソウル近郊のテーマパーク「エバーランド」で成長しながら多くのファンに愛されましたが、海外で生まれたジャイアントパンダは、4歳になる前に中国に返還しなければならないという中国との協定に則って、ことし4月に中国に返還されました。
今回、中国当局が福宝の映像を公開した背景には、韓国と中国のファンの間で、福宝が中国で劣悪な待遇を受けているという懸念の声が相次いだため、疑惑を払拭する狙いがあったものとみられます。