韓国の複数の脱北者団体は、北韓の体制を批判するビラなどを載せた風船を北韓に向けて相次いで飛ばしていますが、22日にも、コメなどを入れたペットボトルを南北の境界線に近い海岸から北韓に向けて流したことがわかりました。
 
脱北者団体「クンセム」は22日午前、北韓に近い北西部の仁川（インチョン）江華島（カンファド）の海岸からコメや1ドル札、駆虫薬、それに韓国ドラマなどが保存されたUSBメモリーが入ったペットボトル200本を北韓に向けて流しました。

この団体は、ペットボトルにコメやUSBメモリーを入れて北韓へ放流する活動を続けてきていて、今月7日にもペットボトル500本を放流しています。
 
これより前の今月20日には、別の脱北者団体の「自由北韓運動連合」が、北韓に近い京畿道（キョンギド）坡州（パジュ）から北韓に向けて、ビラ30万枚などをぶら下げた大型風船20個を飛ばしました。
 
これに対して、北韓の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の妹、金与正（キム・ヨジョン）党副部長は21日、朝鮮中央通信を通じて談話を発表し、「ごみ」が飛んできたと非難し、対抗措置としてごみなどをぶら下げた「汚物風船」を散布することを示唆しています。
 
北韓は、脱北者団体による北韓へのビラ散布に対抗する措置だとして、先月末から今月初めにかけて、4回にわたってごみや汚物をぶら下げた風船を韓国側に飛ばしていて、韓国からのビラと北韓からの汚物風船の応酬が続いています。