政府が2018年の南北軍事合意の効力をすべて停止したことを受け、韓国軍は、北西島しょの海上での射撃訓練を7年ぶりに再開しました。
海兵隊司令部によりますと、北西島しょに配置された海兵部隊が、26日、自走砲「K-9」の射撃訓練を実施しました。
北西島しょは、海上の軍事境界線とされるNLL=北方限界線に近く、この地域での軍事的緊張が高まる恐れがあります。
2018年の南北軍事合意は、軍事境界線付近でのすべての敵対行為を禁じるとしていて、韓国側は、この合意がNLLも含むと解釈しています。
ことし1月はじめには、北韓軍がNLL付近で砲射撃を行ったことへの対抗措置として、韓国軍の海兵部隊が例外的に射撃訓練を行いました。
北韓が最近、ごみや汚物をぶら下げた風船を韓国側に飛ばしたことに加え、GPSの妨害電波を発信するなどの挑発を行ったことへの対抗措置として、韓国政府が南北軍事合意の効力を全面的に停止したため、韓国軍による射撃訓練が可能となりました。
北韓はもともと、韓国が南北の海上軍事境界線と位置づけるNLLを認めておらず、 過去にも北西島しょでの射撃訓練に対して敏感に反応してきました。
2010年には、韓国軍の海兵隊による射撃訓練への報復として北韓軍が延坪(ヨンピョン)島を砲撃し、民間人2人と海兵隊員2人が亡くなりました。